きょうの Frankfurter Allgemeine 新聞ウェブ版に、「東京オリンピック無観客で開催」という見出しで記事が載りました。
動画も添えてあり、その画面が「TOKYO 2020」の文字の入ったこんな風景でした。
たぶん、DIN 1451 Mittelschift かそれに近い何かを使って左右方向を思いっきり縮小したのでしょうか。T を見ると、横線はかなり太いのに、縦画が極端に細いので支えきれなさそうな気がします。
左右を縮小しただけのものは、私と田代眞理さんとの共著『英文サインのデザイン』102ページでも、「間に合わせでつくった急場しのぎの印象を与える」と書いてます。私には、この新聞の写真がまさにその印象を切り取っているように見えました。
「安心」とか「安全」とかの演出をしたい場合は、狭い幅でも視覚的に安定するように調整を加えてつくったコンデンス体を使えば良いのにと思います。ここではコンデンス体の例に DIN Next Condensed を使ってみました。
Frankfurter Allgemeine 新聞の動画の最後では、日の暮れた東京湾に浮かんだ五輪マークが小刻みに揺れます。象徴的な終わり方です。