台湾の街歩きでは、大阪の看板職人、板倉さんと上林さんとずっといっしょでした。私の本『まちモジ』でも職人技を見せてくれた、あのお二人です。街歩きでも、みんなで看板を見てしゃべりながら歩いたんですが、お二人が感心されるポイントが私のと違って新鮮で、私も勉強になりました。
今回の台湾の私の講演ツアーでは、特別ゲストとして看板職人のお二人に3度も登壇いただきました。初日の台湾大学での講義、二日目の高雄の誠品書店、そして三日目は、文字書きのワークショップを、私の本『フォントのふしぎ』『まちモジ』そして『欧文書体』の台湾版の翻訳者で台湾での私の講演を企画してくれた葉(よう)さんのデザインスタジオで開き、台湾のデザイナーたちに丸ゴシック体の書き方の伝授。
ピンクのTシャツは板倉さん、水色が上林さんです。
私は前座みたいなもんだったので、お二人を紹介した後は、撮影役に回ってました。参加者の邪魔にならない位置から。
なんといっても、手で書くという技術のすばらしさを直に見てもらうこと、そして、文字は書くところから生まれる、という当たり前のことを再確認していただくのが大事だからお二人に来ていただいたんです。
最初はストロークの少ない「水」「木」などの練習から入り、「小林」とか、このスタジオの名前の「卵形」を書いて、だんだん難しくなって「臺灣」(繁体字での台湾)とか書いていただきました。

下書きなしの、ぶっつけ本番です。それでも、お二人はその場でこなしていきます。
エスカレートしまくったところで書いたというか書かされたのが、この「ビャア」という読みの字。中国の陝西にある麺の一種だそうです。私も、こんなリクエストが来るとは予想していなかった。

二人それぞれがその場で自分で考えたバランスの取り方になっています。それでも一発で収まっているところは、さすがです。写真真ん中が、スタジオを提供してくれた葉さん。
でも、こうなると字だかなんだかわかんない。
「QR コードか!」とかつっこまれて大笑いになってました。
思えば3年前、私の本を日本で読んだ葉さんの熱心なアプローチで、私の本の台湾版の出版が決まったわけです。面白いことになってきました。