こないだフランスに行っていたときに、
Omnia (オムニア)の使用例がありました。
この建物の中には入らなかったけど、中世に関係する展示かなにかがあったんだと思います。
このアンシャル体、発生が4世紀から8世紀といわれていて、大文字が崩れて小文字ができる前の筆記体です。このフォントでも大文字小文字どちらを打っても同じ字が出てきます。中世を表現するとき以外にも、アジア関係の食材のパッケージやアジア文化関係の催し物で見ることもあります。
この書体のデザイナーは、カリグラファーでもあったカールゲオルク・ヘーファーです。5月にも
彼の展覧会についての記事 を書きました。
偶然ですが、きのうアメリカからのカリグラファーと一緒に、また別の場所にあるカールゲオルク・ヘーファーのアーカイブを見に行ってきました。アメリカのあちこちに彼のファンというか教え子がいて、こういう資料を見に来るのです。5時少し前に合流、展示を見て夕食を一緒にして夜10時まで5時間いろいろしゃべりっぱなしでした。
そこにあった、Omnia の発売当時(1990年)のカタログの一部と、フォントとは書風が違いますが、彼の直筆のアンシャル体カリグラフィー。
1行目の右端に、アンシャル体を書くのに必要なエレメントをわざわざ図解してくれている。「作品」っぽくしない、こういうところが彼らしいです。
カリグラフィーがうまくできるというのと、フォントとしてちゃんとしているというのはまったく別の才能です。夕食の時もその話になったんですが、その両方がきちんとできる彼みたいな人って、すごいんです。