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合字(5)
2009年6月・7月に書いた「合字」1から4の記事の続き。

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これは、「合字(2)」で使った写真で、読者の方からのご質問にも、こうお答えしています。
「このドイツ語の組版は、Buchdruckmaschinen の ch も ck も1文字として鋳込まれている合字です。」
その金属活字の組版か活字が見せられたらもっと説得力あるのになー、と思ってました。

それで、チャンスがあるたびにドイツの活字の合字を集めてきたので、ここでいっきにお見せします。

この写真のように、 ch、 ck がくっついていないけど「合字」という扱いでそれぞれが1文字として鋳込まれているもの(右二つ)もあるし、左の ck のように、くっついているデザインもあります。それは書体によって違います。
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これはステンペル社の Baskerville(バスカービル)。下の段右から、オランダ語で使う ij 合字、ドイツ語で使う tz 合字。
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これはステンペル社の Garamond(ガラモン) Kursiv つまりイタリック。右から、Qu、ck、ct、tt、fl。
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Qu はこうすることで Q のテールをゆったりのばせる。Q 単体の活字も当然あるんですが、Q の後ろには u が来ることが多いから。 左から2番目の tt 合字って、英語圏ではそんなに見かけない気がするけど、ドイツ語圏ではブラックレター書体とかはけっこう当たり前に tt 合字と ll (エル・エル)合字がありました。

これけっこうインパクトある。
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もう c が縦棒に食い込みすぎてわけわかんなくなってる。
でもリズム感的にはこれのほうがいいわけで。
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by type_director | 2014-03-16 16:16 | 金属活字 | Comments(2)
Commented by ひで at 2014-03-17 09:44 x
小林さんに2つ質問があります。


バスカービルの tz 合字に驚きました。ローマン体の tz 合字(tailed z のもの)が独書の本文に登場するのをいままで見たことがないからです。単に出会っていなかっただけかもしれないのですが、ひょっとして、特に使われていた時代とか、姿を消したタイミングとか、特定の場所(詩の中、見出し、等)にのみ使われていたとか、そういうことがあるのでしょうか?


①の質問をしようとして、言葉を調べ直している中で改めてぶつかったのですが、「Roman type」と「Antiqua」はどう違うのでしょうか?
独語では「Antiqua」は英語の「Roman type」を指し、英語では「Antiqua」は「Roman type」のうちの「Venetian type」もしくはさらに広がって「Old style」を指す…というので合っていますか?
手元の本やインターネットで調べてもはっきりせず、とりあえず得た情報を合わせるとこうなったのですが…。書体の話をするときにいつも混乱するので、スッキリできると嬉しいです。

長文になってしまい申し訳ありません。
お手隙のときで結構ですので、お答えいただけると幸いです。
Commented by type_director at 2014-03-22 17:42
ひでさん、ご質問ありがとうございます。ご質問1については、記事「合字(6)」でお答えしました。

「Antiqua」については、ドイツでは普通に一般的な「ローマン体」という意味で使われていると思います。Didot や Bodoni のような、ルネサンスでもオールドスタイルでもないローマン体は「Klassizistische Antiqua」と呼ばれています。

英語で特定のスタイルのローマン体を「Antiqua」と呼ぶという細かい使い分けがされているかどうかは、私も未確認ですが、スタイルの違いを言い表したい場合「oldstyle Roman」のように言っている気がします。