2009年6月・7月に書いた「合字」1から4の記事の続き。
これは、「合字(2)」で使った写真で、読者の方からのご質問にも、こうお答えしています。
「このドイツ語の組版は、Buchdruckmaschinen の ch も ck も1文字として鋳込まれている合字です。」
その金属活字の組版か活字が見せられたらもっと説得力あるのになー、と思ってました。
それで、チャンスがあるたびにドイツの活字の合字を集めてきたので、ここでいっきにお見せします。
この写真のように、 ch、 ck がくっついていないけど「合字」という扱いでそれぞれが1文字として鋳込まれているもの(右二つ)もあるし、左の ck のように、くっついているデザインもあります。それは書体によって違います。
これはステンペル社の Baskerville(バスカービル)。下の段右から、オランダ語で使う ij 合字、ドイツ語で使う tz 合字。
これはステンペル社の Garamond(ガラモン) Kursiv つまりイタリック。右から、Qu、ck、ct、tt、fl。
Qu はこうすることで Q のテールをゆったりのばせる。Q 単体の活字も当然あるんですが、Q の後ろには u が来ることが多いから。 左から2番目の tt 合字って、英語圏ではそんなに見かけない気がするけど、ドイツ語圏ではブラックレター書体とかはけっこう当たり前に tt 合字と ll (エル・エル)合字がありました。
これけっこうインパクトある。
もう c が縦棒に食い込みすぎてわけわかんなくなってる。
でもリズム感的にはこれのほうがいいわけで。