前にこのブログでも紹介した『文字の骨組み』の著者、大熊肇さんの新しい本『文字の組み方』を著者ご本人から送っていただきました。寄席文字についての部分など大熊さんに尋ねられてちょこっと助言をしたので。
『文字の組み方』は、主に和文の組版や書体のことが書いてあって、初心者にも分かるように図版が多いです。書体として発売されている楷書や隷書などを実際の書道の筆法と比較するところなんか面白いし、仮名をやたらにツメるとどうして不自然かなんていうのも納得のいく説明で印象に残りました。
この本の参考資料として、今井直一氏の『書物と活字』についての解説があって、ちょっと気になる部分があったので大熊さんにメールしました。
大熊さんはそのあとで、今井直一氏をよく知る嘉瑞工房の高岡重蔵氏に話を聞きに行って、そのことについてご自身のブログに書いています。すばらしい行動力です。その辺の話は
こちらへ。
そのブログの他の記事にも書いてあるけど、大熊さんは「Futura はナチスの書体」説を聞いたあと4年間 Futura を使わなかったらしいんですが、それが事実でないことが分かって堂々と使うことにした、という人です。
タイポグラフィにまつわる変な都市伝説、日本では多いですからね。新たな都市伝説を生み出さないために、ちゃんと検証するというのは大事だと思います。