目の錯覚をさりげなく補正するためのトリック、書体デザインの大事な部分です。
たまたま子供といっしょに目の錯覚の話をしていて、アルファベットのXの字は実は2本の斜め線がつながっていない、という話になって、雑誌『デザインの現場』6月号のためにつくってあった図版のうち下の図を12歳の長男に見せたら目が輝いていました。
図左2点は、太い斜め線を2本重ねたもの。右2点は書体として発売されている文字 X の典型的な例。

このように線が交差する場合、線がつながって見えるように、線を意図的にずらします。ままた黒みが集中しないように、太さも中心に近づくほど細くなるようにします。青のガイドラインを引くことで、どのくらいずらしているかがハッキリ分かります。
...というようなことを含めて私が欧文の文字デザインの初歩的なポイントを4ページ書いた『デザインの現場』6月号は、特集「文字のつくりかた」です。
和文の文字デザインにはもっと多くのページを割いていて、良質な日本語書体で定評のある
字游工房 の鳥海さんが和文書体のデザインの秘訣を書いています。けっこう細かく書かれていて、これで文字デザインの基本的な見方がわかるようなユニークな特集です。
実は4月に休暇で日本に行ったとき、この特集の件で鳥海さんとちょっと打ち合わせもしていたんですが、アルファベットと日本の文字と、秘訣と呼べるような部分がけっこう共通しています。前から気づいてはいたんだけど、あらためて記事にして並べるとそれがよく分かって面白かった。