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Type& 2019 の申し込み受付開始!
今年も、書体や文字について楽しみながら考える2日間、Type&(タイプアンド)開催です。
11月1日・2日の二日間、東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスで。

今回もゲストが豪華です。お申し込みはお早めに。詳細とお申し込みはこちらのサイトから。



# by type_director | 2019-09-16 06:39 | お知らせ | Comments(0)
1967年製のバス
うちの街に、1967年製のバスの特別運行があったので行ってきました。二週間前から新聞で告知があったのに、朝早いのと雨のせいか、私と息子以外はバスを待ち構えている人は誰もいませんでした。
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Büssing (ビュッシング)社製1967年 Präfekt (プレフェクト)。車体側面中央の四角形の中に書いてあるのは「MTV」で、Main-Taunus-Verkehrsgesellschaft の略です。
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車体側面後方のスローガン「Wir bringen Sie ans Ziel」(あなたを目的地までお連れします)は今でも使われています。
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Büssing の2文字目の Ü がきれいに収まっています。Gの形がいいです。
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中にも入れてもらえました。
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# by type_director | 2019-09-08 17:52 | Comments(0)
グドルンさんの書体を使ったチーズのパッケージ

7月の最初の週と最後の週にはドイツは40度を超える暑さで、しばらく落ち着いたと思ったら8月最後の一週間も晴れて暑い日が続きました。その暑さのピークの間、ちょうど良い気候のときに、グドルン・ツァップ・フォン・ヘッセさんのお宅に伺って、庭でお茶をいただいてきました。

前回の訪問が4月だったのでだいぶ間が空いてしまい、この4ヶ月間にあった私の中国と日本の出張の話もしましたが、最近スーパーマーケットで見つけたこのチーズにグドルンさんの書体 Christiana が使われていたので、二つ買ってグドルンさんに差し上げたら、とても喜んでくださいました。

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お茶の合間に何度も手にとってニコニコ顔で眺めて「よく見つけたねえ」とおっしゃっていましたが、私が見つけたのでなく、この「Q」の字のほうから私の目に飛び込んできて、素通りできなかったのです!と言いました。

「Quäse」の読みは「クヴェーゼ」と書くと近いと思います。Quark=クヴァルク(ヨーグルトのような何か)からつくったKäse=ケーゼ(ドイツ語でチーズのこと)で、脂肪分が少なくて味も淡白、私は杏子のジャムといっしょにいただいたらおいしかったので、グドルンさんにもそうお伝えしました。

以来、このチーズは食べ続けていてうちでは切らしたことがありません。香りがややきついので、口が止められる容器を二重にして冷蔵庫で保存しています。



# by type_director | 2019-09-01 07:32 | Comments(0)
キットカットと筆記体

数年ぶりにキットカット購入。たまたまスーパーマーケットで塩キャラメル味なるものを見かけたので買ってみました。この写真の上が塩キャラメル4本入り、下は定番のです。

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そうしたら、パッケージの横の「#mybreak」「Have a break」の字が Rosemary Sassoon さんの書体 Sassoon Sans だった。ちょっと温かみがある、ゆっくりした速度のストロークの文字というか、そういうところが一息つくにはいいのかなと。

Sassoon さんは、Sassoon Primary など小学校の低学年向けの筆記体の教育や開発で知られている人で、いまちょうどその Sassoon さんの本を読んでいたところです。書くことに対しての研究で、筆記具の持ち方や身体のねじれからくる痛みについてとか、「the」と書くときの t と h の繋がり方の傾向がどうかとか、ひとりの人の筆記体が年齢によってどのように変化していったかとか書かれています。

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Sassoon さん、これの他にもいろんな本を書かれているようで、こちらのサイトの「Sassoon Books」でどんな本があるか見られます。





# by type_director | 2019-08-21 01:02 | 筆記体 | Comments(0)
戦争と文字の話二つ

数年前から、毎年この時期になると読んでいるのが大岡昇平の『俘虜記』です。今年も、おととい読み終わりました。

『俘虜記』は、第二次大戦末期に召集されてフィリピンの戦線に送られた大岡本人の従軍体験をつづったもので、マラリアにかかって体力の衰えきった著者が、米軍の攻撃によってちりぢりとなった部隊から取り残される形ではぐれてしまいます。生死の間をさまよいながら山間を彷徨するうちに気を失って米軍の俘虜となるまでの体験と、俘虜となってからの自分自身や他の俘虜に対する観察が鋭く乾いた文体で書かれています。

そのなかで、ドイツの俘虜と出会う場面があります。大岡は英語を流暢に話したため収容所で通訳をすることになりますが、あるときドイツの潜水艦の乗組員だった俘虜フリッツがやってきて、多少のドイツ語も話せた大岡は、「俘虜のうちにドイツ語を思い出しておくのも悪くないと考え」て、米軍の収容所長の許可を得てそのフリッツの収容された小屋に1日1時間だけ会いに行きます。

フリッツから書いてもらったシラーの詩を見せられた大岡は「彼はゴシックで綴ったので、二十年全然この外国語から離れた私には読めなかった」と書いています。ここでの「ゴシック」は、日本でのいわゆる「角ゴシック体」(サンセリフ体)ではなく、英語で言う「Gothic」、たぶん私が以前 この記事 で書いたようなゴシック体の筆記体だったために読みにくかったと思われます。


私の家族も太平洋戦争とは無縁ではありませんでした。

私の父は五人きょうだいの末っ子でしたが、長男から三男までは出征して、三男の常(ひさし)は消息不明で戻っていません。私が小学生の時から高校卒業までのあいだ住んでいた狭い家の床の間にいつもかけてあったのは、その常が14歳の時に書いたりっぱな楷書体の掛け軸でした。14歳が書いたと思えないような凜とした線で、見るたびに背筋が伸びるような気になりましたし、今でもその線をありありと思い浮かべることができます。

私は子供ながらに、毎日それを見て文字の力というものを感じ取っていたのかもしれません。

体格検査で不合格となって召集されず終戦を迎えた末っ子の父は、新潟の中心部、古町(ふるまち)近くのカトリック教会にやってきた進駐軍のジープの排気ガスの匂いが好きで、いつもジープが通るのを楽しみにしていたそうです。そんな能天気なところも私は受け継いでいるんでしょう。


# by type_director | 2019-08-15 03:47 | Comments(1)