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I と J
ドイツの通りの名前のプレート。
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I (アイ)の形に2種類あることに気づいた。いまさらだけど。

これは縦棒一本の I 。
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これはもう一種類の I 。なんかちょっと J みたいに見えない?
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ちなみに、J はこちら。微妙に形が違うけど。
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数十年前までドイツ文字の活字には、I と J の明確な違いのない書体もあったし、J のない書体もあった。それでも文脈とかでだいたいわかったと思います。

かといってローマン体とかで I も J もどっちでもいいみたいにいいかげんに使われた例もあったようで、ヤン・チヒョルトが彼の本『Meisterbuch der Schrift』(1952年)で正しい使い方の説明を書いているくらいです。図、左が「正しい」と書いてあります。
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この項とエスツェット(ß)については、オリジナルのドイツ語版には書かれているけど、私の持っている英語版(1980年代)では割愛されています。英語圏には必要のない項目だったので、それも当然かなと思います。
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by type_director | 2015-05-26 10:02 | Comments(0)
『図説 サインとシンボル』
きょう5月24日は、アドリアン・フルティガーさんの87歳の誕生日です。金曜の夕方に郵便局に行ってカードを出してきました。

もうじき、アドリアン・フルティガーさんの『図説 サインとシンボル』日本語版が発売になります。監修は小泉均さん。日本でこの本を出すなら、この人しかいない!って思っていました。光栄にも、帯に推薦文を書いて欲しいと小泉さんがおっしゃるので書いたのですが、なにしろ私も思い入れが強いので、短くまとめるのが大変でした。

ここから下は、だいたいその帯に書きたかったことですが、こんなの帯に収まるわけがない! でもどこかに書いておきたいので、載せようと思います。

私がフルティガーさんという人のことを「すごい人だ」と実感したのが、この本のもとになった英語版『Signs and Symbols』を最初に読んだときです。
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本に出会ったのが1989年、そのとき私が住んでいたロンドンのアパートから10分くらいのところにある小さな本屋でこの本を手にとりました。中を見て、すぐに買って帰り、夢中で読みました。それを機に欧文書体デザインを見る目が、もっと言うと自分が見ているものの見方がまったく変わってしまいました。

もちろん、それ以前にもフルティガーさんのことを数々の名作をつくってきた書体デザイナーとして知ってはいたのですが、この本に書かれている内容を読んだら、鳥肌が立った。だって、記号や文字がなぜそう「読まれる」のか、読み手のほんの一瞬の心の動きを解説してくれるんですが、それがまるでスローモーションの一コマ一コマを見ながらの解説のように冷静に分析してるんです。なぜサイコロの「6」の目の点を別の並べ方にしたら迷ってしまうのか、まで。

だから、「わかる! たしかにそういうふうに感じる!」という部分があって嬉しくもなったし、逆に「書体デザイナーってここまで考えてなくちゃいけないのか、道のりは大変だ」という気持ちにもなった。

その後、欧文書体タイプディレクターとしてドイツに移り住み、そのフルティガーさんと書体デザイナーどうし、いっしょに仕事ができるようになった。腕が認められたのか「これからはお互いを『あなた』でなく『おまえ』って呼ぶことにしよう」と言われて、それ以後は「アキラ」「アドリアン」です。

フルティガーさんとの仕事のために行ったベルンの古本屋で、最初のドイツ語版『Der Mensch und seine Zeichen』3冊組を見つけて、そのあとフルティガーさんとの仕事の時に本を持っていき、私がこの本の英語版に出会ったときのことを熱く語ってしまいました。本の扉にサインもしていただきました。
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今度の日本語版は、英語版『Signs and Symbols』からの日本語訳です。私がドイツ語版と照らし合わせてもじつに丁寧に訳されていて、ここまでの苦労がうかがえます。英語版のほうは、ドイツ語版より後に出ているので付け加えられた部分があるし、この日本語版には他にもおまけ的な内容がある。だからドイツ語版3冊組よりも英語版よりも、日本語版のほうが充実しています。

小泉さんは、フルティガーさんのお誕生日に発刊を間に合わせたかったそうですが、この内容ならば時間がかかるのはしょうがない。とにかく、この本がちゃんとした日本語で出るなんて素晴らしいことです。

本の詳細は こちら
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by type_director | 2015-05-24 08:07 | Comments(2)
ツァップさんのスケッチブック
私がツァップさんのところに行くと時々見せていただいているスケッチブックがあります。第二次大戦中、ツァップさんが地図を作成する部隊に配属されてから1945年5月9日の終戦までのあいだ、時間を見つけては描いた水彩画やカリグラフィなどが収められています。

カリグラファーでもありブックデザイナーでもあるアメリカのジェリー・ケリーさんの呼びかけで、それのファクシミリ版をつくろうということになり、私もスケッチブックのスキャンや写真撮影などで協力しました。

プロジェクトの詳細は こちら で。スケッチブックの中の水彩画やカリグラフィの一部も見られます。

スケッチブック3冊を持つツァップさんの写真は、今年1月9日のスキャンの作業終了のときに私が撮りました。デジタルカメラですが、マニュアルレンズをつけてマニュアルで撮っています。ツァップさん宅にお邪魔するときはいつもそうしています。ツァップさんご夫妻は質素な暮らしを好まれて普段から室内の灯りを控えめにされるので、冬の間はシャッタースピードがギリギリです。それでもマニュアルレンズのほうが、ちゃんと映る気がします。腕に自信があるわけではないので、ピントを心配しながら「頼む、映ってください」と念じて撮っています。
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by type_director | 2015-05-18 12:24 | お知らせ | Comments(0)
日本の書籍や雑誌の欧文組版について考え中
最近、更新がなかなかできずに失礼しました。この二つ下の記事、麥倉さんとの TypeTalks 「日本の欧文組版の常識、非常識? ヨーロッパから見た日本のタイポグラフィ」の準備に集中するあまり、ブログ更新がおろそかになってます。

まず、TypeTalks でやっと麥倉さんを紹介できるのがうれしい。麥倉さんの仕事はヨーロッパの中でも群を抜いて良質です。これは彼女の手がけた仕事のうち、O.F. Bollnow 著 『Human space』。デザインやタイポグラフィについての良書で知られているあの Hyphen Press から出ています。

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この書籍についての詳しい情報、表紙と中身ページの図版は こちら

私もヨーロッパでいろんな組版を見ているつもりですが、ここまでのものに出会うことってそんなにないですよ。

30日の TypeTalks ではどういう部分に焦点を絞るか、麥倉さんや高岡さん宮後さんとメールでこの2週間やりとりをしていて、気づいたらそこだけですでにかなりの時間使ってます。当日しゃべる時間は2時間なのに。

その2時間の中で何を話すか、やりとりしながら絞り込んだ結果、ヨーロッパの例ばかり紹介しても伝わらないということになって、日本の例を中心に見ます。しかも「見た目わりと立派な」「デザイン的にも手間ひまかけている」書籍や雑誌の欧文組版がけっこうひどかったりすることがわかった。

意外と、安売りのチラシ的なものでなくデザイナーが時間をかけているっぽい立派なもののほうが、組版の品質的にどうなんだっていう仕上がりになっている事実。

あるデザイン系年鑑が「良くない例としてはベスト」というわけのわからない推されかたをして選ばれているので、当日それも分析することになると思います。

デザイナーならば知っている、持っている、なんなら手元にあって欧文組版の参考にしているかもしれない書籍や雑誌の欧文組版の実例を見ながら良くない点をあげて、もっと良くするにはどうしたらいいか考えます。質問も大歓迎。

最近、日本のデザインや文化を英語や他の言語で発信する機会が急激に増えています。それ自体は大賛成ですが、良さが海外の人にちゃんと伝わるような組み方があるはずです。

2020年の東京オリンピックまでになんとかしよう、なんてゆったり構えてられない。今の日本には、ただちに改善が必要な事例がいーっぱいあります。
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by type_director | 2015-05-13 12:15 | Comments(0)
TypeTalks 第30回は「デザインに役立つカリグラフィ・ワークショップ」
5月31日(日)の会は、カリグラファーの三戸美奈子(さんど・みなこ)さんによるワークショップ。

冒頭で、髙岡昌生さんと私が三戸さんに文字の形とペンとの関係などについて質問します。そのあと、実際にペンで文字を書いて、アルファベット文字の成り立ちを体感しましょう。三戸さんのご指導付きで、カリグラフィー初心者のかたでもだいじょうぶです! また、どんな初歩的な質問も大歓迎です。

詳細は こちら
募集開始は5月7日からだそうです。
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by type_director | 2015-05-01 15:59 | Comments(0)
TypeTalks 第29回は「日本の欧文組版の常識、非常識? ヨーロッパから見た日本のタイポグラフィ」
今月の5月30日(土)、5月31日(日)の二日間で、TypeTalks を立て続けに開催します。

5月30日(土)は、現在ドイツでバリバリに仕事をしているタイポグラファー、麥倉聖子(むぎくら・しょうこ)さんをゲストに迎えます。

髙岡昌生さんと私が、日本の欧文組版が海外からどのように見えているのか、など欧文組版のことをたくさん聞きだします。 もちろん、初歩的な質問、会場からの質問も大歓迎です。

詳細は こちら
募集開始は5月7日からだそうです。
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by type_director | 2015-05-01 15:51 | Comments(0)