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もうすぐ一周年! 筆記体クイズやりまーす
「タイポグラフィって、本当は楽しかったんだ」
これを知っていただきたくて始めたこのブログ、最初の記事をアップしたのが2009年3月6日ですから、もうすぐ一周年です。

アクセス数は、ドイツ時間の2月27日現在、99000を超えたところ。

今年に入ってからのアクセス数は一日平均370前後…ということは、あと数日で10万アクセス達成の見込みです! 

この面白いタイポの世界を見に来てくださるみなさん、ありがとうございます!!

一周年、そして10万アクセス達成の前祝いとして、クイズをつくってみました。ちょっと前に、スクリプト体で分かりにくい字の記事を書いたところ反響があったので、こんなのはどうでしょう。

下の書体は、アメリカの女性カリグラファのつくった ITC Clover (クローバー)です。アメリカの筆記体に慣れた人には読めても、そうでない人にはちょっと分かりづらい字があります。これは何?
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正解は大文字の G でした。

では、以下の6つの字はなんでしょう? ぜんぶ大文字です。
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正解の発表は、ちょうど1周年に当たる3月6日(金)にします。ドイツ時間の朝7時ころアップするので、日本では同日15時前後になります。

賞品とか用意してないので、正解された方は自分で自分にご褒美を買うとか、喜びの持っていきかたを考えておいてくださーい。

ヒント1。5と6の書体は同じです。
ヒント2。昨年12月に、こういう形の字についての記事を書きました。

こんなの簡単だっていう人は、書体名も当ててください。1番の書体は分かりにくいと思いますから言っちゃいます。 Archive French Script (アーカイブ・フレンチ・スクリプト)です。
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by type_director | 2010-02-27 22:10 | Comments(3)
『欧文組版』著者、高岡昌生さんのセミナー
2月27日(土)18:00-19:30、アップルストア銀座で高岡さんのセミナーもあるよ!
申込不要、参加無料、先着順。
詳しくはこちら。
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by type_director | 2010-02-26 12:29 | Comments(5)
『欧文組版』発売
高岡昌生さんの『欧文組版』が、早いところでは今日発売になるそうです。

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私も推薦文などでちょっと関わらせていただきました。

この本の使用上の注意!
本の中に、練習問題があります。それをパラッとながめて「あーこういうことかー」って分かった気にならないで、本当にやってみてください。大学では法学部だった高岡さんが、これをやって一流の活版職人さんになったんだから。

週末など時間のあるときに、じっくり。千里の道も一歩から。
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by type_director | 2010-02-25 05:57 | Comments(0)
点を使わないウムラウト 
ウムラウトでも、昔はこういう点を使わないやりかたもありました。小さい e を上につけます。ドイツ語では通用しますが、他の言語では使えないかも。

これは1544年にストラスブールで印刷されたドイツ語の出版物です。上の行のやや左は kämen、下の行やや右は gehört と書かれています。
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こういうゴシック体では、小文字 r に2種類の形があって、o など丸っこい文字の右隣にくるときはこの gehört の r になるのが正式です。

e で置き換えることは、大文字でもします。 私が提案してツァップさんといっしょにつくった Optima nova Titling (オプティマ・ノバ・タイトリング)では、ウムラウトを以下の二通りから選べます。大文字だけなので、なるべく大文字の高さに収まるデザインです。
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この書体、昨年12月にパリのルーブル美術館での使用例を載せました。 こちら。
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by type_director | 2010-02-24 21:06 | Comments(2)
フォントのことが出てくる推理小説(2)
どっちかというと、こっちのほうを(1)とすべきでしたが。

コナン・ドイルが一連のシャーロック・ホームズの推理小説のひとつとして書いた『バスカヴィル家の犬』のはじめのほうに、脅迫状みたいなのを分析するところがあったはずだ、と思い出して、うちにある日本語の文庫本を探しました。文庫本は2年前に日本に行ったときに御茶ノ水の美篶堂ギャラリーさんで買ったもので、いまは長男の本棚にあります。

やっぱりそうでした。正確には、バスカヴィル卿あてに届いた警告の手紙でした。

新聞の文字を切り抜いて貼り付け、「沼沢地に近づくなかれ」などとしるされたこの手紙を見たホームズが、もとの新聞が『タイムズ』紙であることをすぐに知り、同紙がインテリ層の読む新聞であることから、教育のある人物が出した手紙であることを推理します。

日本語訳だと「『タイムズ』紙の九ポ活字」と書かれていますが、原作の英文ではこのくだりでは昔の活字サイズの呼び名で「bourgeois」と書いてあったと思う。ロンドンに住んでいたとき、この部分が気になってどう発音するのか調べたことがあるので覚えているんです。調べたところ読み方はたしか「バージョイス」だった。

ドイルがこの小説を書いたのが1901年頃らしいので、当時は『タイムズ』紙は Times Roman では刷っていませんでした。Times Roman で刷られるのは1931年10月になってから。モノタイプ社が Times New Roman と呼んでいるのは、「『タイムズ』紙の新しいローマン体」という意味です。

同じホームズの『バスカヴィル家の犬』の同じ部分を、1930年発行の本 * の中で「S.M.」氏が引用しています。そう、Times Roman の監修をすることになるスタンリー・モリスンです。その中で彼は、活字書体 Baskerville (バスカヴィル)の読みやすさについても触れています。その書体が『タイムズ』紙の新しいローマン体の候補のひとつだったらしいです。

蛇足ですが、小説の中の人はヘンリー・バスカヴィル卿、活字の Baskerville の名前の元になったバーミンガムの印刷屋さんはジョン・バスカヴィルです。別人です。

* 『Printing in the Twentieth Century: a Survey Reprinted from the Special Number of The Times, October 29, 1929』1930年刊。
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by type_director | 2010-02-23 20:43 | Comments(5)
ウムラウト フィンランドの場合
フィンランド語ではウムラウトと言わないと思うけど、よく2つ点が出てきます。
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こうなると、もう省略しようと思わないかもしれない。
私の知り合いのカリグラファがフィンランドでワークショップを受けに行くと聞いたとき、「現地のカリグラファに尋ねてほしいことがあるんだけど」とお願いしました。
質問は、「点がいっぱい出てくるのをどう思うか」。

彼女が帰ってきてからの返事は、特に何とも思っていないらしい、という内容だったと思います。
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by type_director | 2010-02-22 16:45 | Comments(2)
ウムラウト
ウムラウトの話の続きです。
ドイツ、スイスのドイツ語圏で見かけるウムラウトの中には、こんなふうに2つの点を省略して1つにしてしまう場合があります。とくに Ü の場合はそうすると余計なスペースをとらないのでロゴとかに都合がいい。

最初の写真、左の単語は FRÜHSTÜCK 、
2番目の写真は BÜHLER と書いてある。
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あの有名サッカーチームのエンブレムも。
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これはスイスのベルン。BÄRENHÖFLI というレストラン。
1つ点というか横棒になった例。あんまりメリット無いかな?
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もちろん、本文には、こういう1つ点のウムラウトは出てきません。あくまでも見出し用としてです。
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by type_director | 2010-02-21 17:54 | Comments(4)
書体見本マニア3: Information
「なごみ系」と言いたくなるキャラクターを発見。

見本帳は、ドイツのクリングシュポール活字鋳造所から出ていた金属活字 Information(ドイツ語読みでインフォーマツィオーン)です。おととい調べ物をしていてめくっていたら目と目が合ってしまった。
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点点は「ウムラウト」といって、発音が変わる印です。普通は Ä Ö Ü のように文字の上にのっかる形なんですが、金属活字の時代、ドイツではそのウムラウトを大文字の高さにおさえたデザインもありました。
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デジタルフォントでは、ドイツ語以外の言語で同じ Ä Ö Ü を使うことも考慮して無難なデザインにするわけですが、行間をちゃんととらないで大文字だけで組むと、こういうやっかいなことも起こるわけで。これはドイツの新聞広告。2行目は「WÄNDE」なんですがウムラウトが前の行にめり込んでいてゴミみたいにしか見えない。
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金属活字の時代は、自分の国の需要を満たしていることが優先だったと思いますから、Information の Ä Ö Ü みたいにその国の言語に特化したデザインもあったんですねー。
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by type_director | 2010-02-17 21:15 | Comments(0)
カリグラフィ展のお知らせ
日本での講演会やワークショップでいろんな人と会うと、カリグラフィを習いたいっていう人が増えているような気がします。そんな人、いや、文字に興味のある全ての人にお知らせです。書体が分かるようになるには、筆記具を持って書くことから始めるのが近道だと思っています。

私が習っていたカリグラフィの教室、MGスクールの展覧会が、2月18日、19日の二日間、原宿駅近くの駐日トルコ共和国大使館で開かれます。

MGスクールを知ったのは15年前くらいかな?「え?日本でこんな本格的な勉強ができるの?」ってすぐに申し込んだ。その数年前にロンドンで私が習っていた夜間のカリグラフィコースより数段上の内容でした。

今回の展示作品は こちら で見られますが、かなり小さい画像です。実物はぜんぜん印象が違うはずです。ぜひ実物を観に行ってください。レベル高いです。トルコ語で書かれているのが多いみたいで、それもそのはず、これらの作品は今年4月からトルコのイスタンブールの美術館でも展示されるんだそうです。

私が日本でカリグラフィを習おうと最初に思ったのが1987年ころかな。そのころ、こんなレベルの作品ほとんど無かったよー。

「カリグラフィーの精神と世界展」
2月18日(木)11:00〜17:00
2月19日(金)10:00〜16:00

駐日トルコ共和国大使館
東京都渋谷区神宮前2-33-6( 地図
03-6439-5700

JR原宿駅 徒歩8分
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅 5番出口 徒歩10分
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by type_director | 2010-02-16 08:56 | Comments(0)
書体見本マニア2:Caslon
金属活字、ていうかオリジナルのほう。いまも世界中で使われている書体 Caslon のもとです。

ウイリアム・カスロンが1720年に活字の製造を始めて、最初に出した書体見本が1734年で、そのときは所在地が Ironmonger-Row となっていたけど、これは Chiswell-Street になってからもので、1741年の見本シート (525x390mm)。

私がイギリスで勉強していたときに知り合った本屋がこれを最近入手して、私のところに連絡が来て即注文。先週届きました。
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古いのになると、うわーきれいだなー、だけで済まないところも悩みというか楽しみというか。

「なんだこの A は?」とか考えちゃうわけです。
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いちばん上、A SPECIMEN と組まれた部分の A と、その2行下の ABCD の A とが全然違う。どちらも Five Lines Pica(現在の72ポイントに相当)の活字なのに。SPECIMEN の C は ABCD の C と同じだけど、A は別の活字みたい。並び線も合ってないし。

前から持っている方の、1771年の本(画面右下)の綴じ込み付録として入っているカスロンの見本帳と比べる。1771年の方の ABC...では A が直してある。
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じゃあ1741年の A はどこからきたのか? 文献を調べなきゃ、あの人に聞かなきゃとか考える。余計な仕事が増えるなー。けっきょく嬉しいんだけど。
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by type_director | 2010-02-16 06:19 | 書体見本マニア | Comments(0)