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修道院の遺跡の文字

2ヶ月ぶりくらいに晴天になった今日の朝、Arnsburg にある12世紀に設立されたシトー修道会の大修道院の遺跡にかみさんと行ってきました。1174年から1802年まで修道院として使われていたそうで、現在は一般に公開されています。

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入り口の回転扉の脇の機械に1人2ユーロ払って中に入るという説明がされていて、先に私が入ってみましたが途中で止まってしまい、一度外に出てもう一回払ってみたらちゃんと入れました。かみさんから聞いたら、私たちが帰る頃に来た二人連れも同じように最初は失敗してから中に入ったそうです。まあ2人で6ユーロ、1人3ユーロでもぜんぜん安いくらい見応えがありました。

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1808年以後は遺跡となっていたが1960年から安全のための補修作業がされていると書いてある。

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ずっと雨続きだったせいか、苔がきれいです。

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建物の歴史を語る展示室の字も、外の看板と同じ人が書いたんでしょう。

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この小さい解説の文章も全部手書きで、小文字の高さは10ミリメートルくらい。このパネルの1644年のケルンで発行された書物が、この Arnsburg 修道院が文章で記された最初の記録だとあります。

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「ANNO DOMINI 1674」とある墓碑銘。三行目に「16 IANVAR」とあるので 1674 年1月16日のことでしょう。1の字が独特です。

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朝早い時間に来て、ゆっくり見ることができました。

天気予報では、明日からまた嵐のような天気になるそうです。
お昼を Butzbach という別の町で食べて午後3時ころに家に戻ってきたら、近所の畑の中の一本道が、このつかの間の晴れ間に散歩する人たちでいっぱいでした。










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by type_director | 2018-01-14 17:13 | Comments(0)
伝統とモダン
ちょっと冬休みをとってドイツでのんびりしています。ぶらぶらと街を歩いて、自然食品のお店のカフェに入って一休み。

黒板にきれいに書かれたメニューです。
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たしかにきれいではあるけれど、いまこれだと、ちょっと硬めの感じもします。

こないだ日本で「いま流行のフォントは」という質問をいただいて、見出しでテクスチャーの面白さで見せるならと前置きした上で紹介したのがこれ、Thirsty Rough Script です。だいぶ前から使われているので、とっくに知っているという人も多いはず。それで組んだ本の表紙も発見。
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「Bake」部分です。ファミリーのなかのバラエティが豊富でボソボソ感も3種類から選べるし、影もつけられる。ちなみにその下の「& THE CITY」部分は Trend Rough Sans One に見えます。ラフなテクスチャーでそろえたんでしょうか。

これは、老舗の高級デリカテッセンのお店が始めたケータリングサービスのカタログ。真ん中の、細長いサンセリフ体に見えるのは、正確に言うとサンセリフっぽい手書き風書体 Borden Light 。
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左上の、緑色の丸に書かれている言葉は「伝統とモダンとの出会い」。「伝統」の部分を Snell Roundhand Script、「モダン」の部分を Borden Light で組んでいます。堅苦しくない、ちょっと崩した感じがモダンだということですね。

本屋に立ち寄ったときに、手書きレタリングの本が何種類も出ていることに気がつきました。けっこう売れているらしい。ぱっと見ただけでもこのコーナーで平積みになっていたのは8種類くらいあった。
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ネットで「Hand Lettering」で検索すると、ドイツ語だけでも軽く20冊くらいはこの手のレタリング本が出てきます。しかも著者は(名前から判断して)ほとんどが女性。

気になったので一冊買ってみました。この写真に写っているのが著者のタニヤさんらしい。
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「カリグラフィ」という言葉も出てくるけど、やはりトップに来るキーワードは「Hand Lettering」というところを見ると、ドイツではレタリング流行ってきてますね。

この本の中では「クラシックなアルファベット」と「モダンなアルファベット」の比較の見開きのページがあって、「クラシック」な方は薄いピンクのガイドラインが引いてあってその中にきちんと収まった書体、いっぽう「モダン」はガイドライン無しで並び線も揃えず書いてあって、説明も「パーフェクトでないところが魅力」とあった。

「モダン」という言葉の意味はその時代で変わる。だからモダンなわけですね。








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by type_director | 2017-12-28 15:10 | Comments(0)
日本、ドイツ、DIN Next

先週のきょう、つまり11月26日は、日本にいて東京大学の駒場祭に出ていました。

クリエイティブディレクターの永井一史氏との対談、という大役をおおせつかり、初顔合わせだし私なんかでつとまるのかとドキドキしながら当日早めに会場に向かい、打ち合わせの予定が9時だったのに8時半にはもう到着していました。

そして永井氏が到着、対談の人選をしたデザイン概論の講師である保田氏の案内で、今回の対談のきっかけとなった「デザイン概論」の展示をはじめ、会場である駒場キャンパスの建物をぐるっと見せていただいたときに、あれ、DIN Next(ディン・ネクスト)を使ってくれているな、と気がついた。

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段取りがすべて終わって控え室でスタンバイしているときに、永井一史さんからこの建物のサインを担当されたことをうかがったので、「DIN Next は私がつくったんです」と言ったら永井さんもビックリ、まさか対談の相手である私がそんなところでつながっていたとはご存じなく、そして講師の保田氏もそのことはまったく知らずに人選したのこと。

永井さんにそのあと、なんで DIN Next なんですか、とさらにうかがったところ、ちょっとだけ角を丸くしてあるところが目に優しいという点にちゃーんと気づいていただいてました。私としても、DIN Next が会場のサイン用の書体として選ばれたのは当然嬉しいわけですが、知り合いだとかそういう理由でなく、純粋に永井氏の審美眼にかなって選ばれたたと知ってガッツポーズです。
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対談途中に永井氏が、当日会場の控え室でのこのビックリ話をしてくださったので、文字をつくる仕事、それを使ってロゴのデザインやサインシステムに利用してくれる仕事のことがとてもわかりやすく説明できたと思います。

「デザイン」という言葉から「奇抜な、アート的なもの」を連想されたとしたらそうではなくもっと身近なものなんですよ、という話を会場でしました。たとえばこのエレベーターホールの数字が普通にわかりやすくて、それがちゃんとわかりやすく掲示されているから皆さんが会場に苦労せずにたどり着ける。目立たなくとも日常に普通に機能しているのがデザインなんですよ、という話ができました。

まさに、この会場でこの人選でしか起こりえなかった特別な話になった。会場に来ていただいた方々にも実感を持ってもらえたと思います。そしてさらにビックリなのが、対談のあとの懇親会での別の出会い。デザイナーでないのに DIN Next を趣味で買って使っている人が挨拶してくれました!もう感激です。


そしてその対談の翌日、ドイツに戻ってきました。街はクリスマス一色です。昨日行った、あるショッピングモールで。

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モールの中にあった携帯の充電スポット。Yello というエネルギー供給会社が使っているのは DIN Next Rounded つまり DIN Next の丸ゴシック版です。

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小文字 a の形がキュートです。これは意図的に DIN Next 角ゴシック版とは大きく変えた部分です。


帰り際に、同じモールの本屋に立ち寄ったときに、日本でもちょっと話題になった『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリの新刊が出ていました。ここでも DIN Next です。青い文字の部分が DIN Next Light

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まさにこの一週間は、DIN Next の一週間でした。


あ、ちなみに駒場祭の公式フォントは、たづがね角ゴシック でした。

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良いものをつくれば使っていただけるんだな、この一週間、それを実感できました。






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by type_director | 2017-12-03 09:31 | Comments(0)
Weinbach の文字
小さな城のある Weinbach という町で。
「Zur Burg」(城はこちら)と書いてある手作り感満載の案内標識。
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あんまり観光地化されていないお城の中はこんなふうで、紋章がきれいです。
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城の前の街角で。
ブラックレターが良い味出してます。「Dorf Freienfels / Amt Weilburg」と書いてあります。
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by type_director | 2017-11-01 14:23 | Comments(0)
Runkel の文字(2)

Runkel の城の続きです。

だんだん霧が晴れて日が差してきました。

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城を出ます。入り口にあった新聞受けもブラックレターです。

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城の周りにある建物。
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壁に騎士と Runkel の紋章が描かれています。この絵ではややかすれ気味ですが、実際の紋章は盾の左上の六分の一くらいが青色です。

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城を背に、川縁に降りていく急な坂道。これはカメラのレンズのせいでこう見えているのではなく、こういう形に角度のついた建物です。

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この町 Runkel は、私が持っているガイドブックなどには紹介されていない。近場で何かないかなと思って適当に探していてたまたま見つけた町です。ヨーロッパには、こんな古城と城下町がまだたくさんありそうです。

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by type_director | 2017-10-20 14:44 | Comments(0)
Runkel の文字(1)
Limburg の東で Lahn 川沿いにある小さな城下町、Runkel に行ってきました。
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右の橋は1448年にできたもので、城の中の展示室にあった復元模型を見ると橋の途中に見張り塔があったそうです。橋のたもとにある建物に取り付けられていた銘板には、1998年にこの橋が550歳を迎えたことが記されています。
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13世紀に建てられた古城の入り口。中に入ります。
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塔のてっぺんに上ります。朝のうちは霧が出ていました。
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城の中にも入ることができます。
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武器などの展示室への入り口を示す「Eingang(入り口)」の文字。
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展示室には、甲冑や大砲などもありました。
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大きな大砲の鋳物の砲身には、「1703」と製造年らしいものが記されています。
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「A」の字の真ん中の横棒はV字型になっています。
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by type_director | 2017-10-20 14:15 | Comments(0)
Monschau の文字

休暇で、ドイツ西側の端でベルギーとの国境近くにある町 Monschau に行ってきました。

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歴史のある建物が多く残っています。

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町の紋章。
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この教会の尖塔の途中の字は…

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Gill Sans でした。

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このカフェの字は Baskerville Old Face です。

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このホテルの文字と装飾とが見事に合っています。「Hotel Alte Herrlichkeit」と書かれていて、最後から4文字目は k です。

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建物の雰囲気と文字とが合っています。

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赤を使った建物が多いような気がする。
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川縁なので湿気が多いらしい。晴れた日なのに石畳がぬれていて、落葉の色が鮮やかに見えます。

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by type_director | 2017-10-18 02:30 | Comments(0)
クリアファイルに見る Linotype ロゴの変遷

先週、オフィスの部屋の棚を整理していたら、Linotype 時代のクリアファイルが出てきました。そういえば、私が Linotype 社に入る前の古い書類などを処分するさいに、ハッと気づいて取っておいたのでした。なんとなくロゴの変遷がわかる。

黄ばんでいるのもあるので、ン十年経っているんじゃないでしょうか。

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by type_director | 2017-10-05 21:22 | Comments(0)
高岡重蔵氏の思い出(2)映画館の文字
先日亡くなった高岡重蔵先生が若い頃に観たという映画を、いま片っ端から観ています。フレッド・アステア主演の『イースター・パレード』など、たいていはアメリカの映画。白黒の作品も多い。

観ているうちに、最初のタイトル部分だけでなく町のシーンなどで看板や標識が出るたびに「この文字を見てドキドキしたんだろうな」などと想像してしまいます。映画のなかで出てくる町の様子もそうだけど、ほんの一瞬しか映らないレストランの名前、ショップウインドウの文字、ネオンサインや八百屋の看板などを、憧れを持って見ていたんだろうな。ビデオやDVDなどない時代、劇場に行って、その一瞬を目に焼き付けるしかなかった。

こないだアメリカのボストンに行ったときに、ホテルの近くに映画館があったので、映画『Dunkirk』観てきました。ドイツで一回観ているのですが、英語版でもう一度と思って時間をつくって行きました。
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外観は近代的なビルだけど、映画館の部分は歴史のある建物らしく、たぶん昔のままにしてあるんでしょう。アメリカなのに「THEATRE」と英国式綴りになっている。

中に入ると、昔からある書体 Della Robbia を使っていて良い雰囲気。「Della Robbia」はいま一般的にこう呼ばれているけど、うちの本棚にある1915年の Stephenson, Blake & Co. 鋳造所の見本帳では Westminster Old Style となっているし、他にも確か Cantoria とも呼ばれていた…こういう話を重蔵先生とすると止まらなかった。重蔵先生の頭の中の引き出しには、そういう話が無尽蔵に入っていました。
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まあ、Aの裏返しはご愛敬ということで。

やっぱり映画館の文字はこうでなくちゃ。







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by type_director | 2017-09-24 20:23 | Comments(0)
高岡重蔵氏の思い出

私の大事な先生であり常に憧れと尊敬の対象であった高岡重蔵氏が9月15日に永眠されました。


6年前に書いたブログ記事にリンクします。

重蔵先生の亡くなられる前日の晩、重蔵氏のこの本を読み返していました。


それに続いてちょっとした思い出話も書いたんだった。こちら








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by type_director | 2017-09-18 13:12 | Comments(0)