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Typetalks分科会『欧文組版のABC』第8期「基礎から応用まで」

人気の高い講座の受講者募集が始まりました。

髙岡昌生さんがていねいに解説する欧文組版の基礎。対象は幅広く、解説文に「専門教育を受けていなくても、経験が浅くても大丈夫です。」とあるとおりです。知識の詰め込みでなく、考え方を学ぶから、自信を持って欧文を扱えるようになります。

会場は、東京・青山の青山ブックセンター。

詳細とお申し込みは こちら









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# by type_director | 2017-12-10 14:21 | お知らせ | Comments(0)
日本、ドイツ、DIN Next

先週のきょう、つまり11月26日は、日本にいて東京大学の駒場祭に出ていました。

クリエイティブディレクターの永井一史氏との対談、という大役をおおせつかり、初顔合わせだし私なんかでつとまるのかとドキドキしながら当日早めに会場に向かい、打ち合わせの予定が9時だったのに8時半にはもう到着していました。

そして永井氏が到着、対談の人選をしたデザイン概論の講師である保田氏の案内で、今回の対談のきっかけとなった「デザイン概論」の展示をはじめ、会場である駒場キャンパスの建物をぐるっと見せていただいたときに、あれ、DIN Next(ディン・ネクスト)を使ってくれているな、と気がついた。

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段取りがすべて終わって控え室でスタンバイしているときに、永井一史さんからこの建物のサインを担当されたことをうかがったので、「DIN Next は私がつくったんです」と言ったら永井さんもビックリ、まさか対談の相手である私がそんなところでつながっていたとはご存じなく、そして講師の保田氏もそのことはまったく知らずに人選したのこと。

永井さんにそのあと、なんで DIN Next なんですか、とさらにうかがったところ、ちょっとだけ角を丸くしてあるところが目に優しいという点にちゃーんと気づいていただいてました。私としても、DIN Next が会場のサイン用の書体として選ばれたのは当然嬉しいわけですが、知り合いだとかそういう理由でなく、純粋に永井氏の審美眼にかなって選ばれたたと知ってガッツポーズです。
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対談途中に永井氏が、当日会場の控え室でのこのビックリ話をしてくださったので、文字をつくる仕事、それを使ってロゴのデザインやサインシステムに利用してくれる仕事のことがとてもわかりやすく説明できたと思います。

「デザイン」という言葉から「奇抜な、アート的なもの」を連想されたとしたらそうではなくもっと身近なものなんですよ、という話を会場でしました。たとえばこのエレベーターホールの数字が普通にわかりやすくて、それがちゃんとわかりやすく掲示されているから皆さんが会場に苦労せずにたどり着ける。目立たなくとも日常に普通に機能しているのがデザインなんですよ、という話ができました。

まさに、この会場でこの人選でしか起こりえなかった特別な話になった。会場に来ていただいた方々にも実感を持ってもらえたと思います。そしてさらにビックリなのが、対談のあとの懇親会での別の出会い。デザイナーでないのに DIN Next を趣味で買って使っている人が挨拶してくれました!もう感激です。


そしてその対談の翌日、ドイツに戻ってきました。街はクリスマス一色です。昨日行った、あるショッピングモールで。

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モールの中にあった携帯の充電スポット。Yello というエネルギー供給会社が使っているのは DIN Next Rounded つまり DIN Next の丸ゴシック版です。

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小文字 a の形がキュートです。これは意図的に DIN Next 角ゴシック版とは大きく変えた部分です。


帰り際に、同じモールの本屋に立ち寄ったときに、日本でもちょっと話題になった『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリの新刊が出ていました。ここでも DIN Next です。青い文字の部分が DIN Next Light

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まさにこの一週間は、DIN Next の一週間でした。


あ、ちなみに駒場祭の公式フォントは、たづがね角ゴシック でした。

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良いものをつくれば使っていただけるんだな、この一週間、それを実感できました。






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# by type_director | 2017-12-03 09:31 | Comments(0)
香港独特の看板文字
香港での話題がもう一つ。
香港の独特の看板の文字スタイル、「北魏(ベイウェイ)楷書」というスタイルの文字を見に、市場の建ち並ぶ地区に行きました。二階建ての市電に乗っていきます。
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だんだん高層ビルが少なくなって、市場らしい街区になってきました。ここで市電を降ります。
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これが北魏楷書だ。ハネの部分に妙な力があって、すっと一直線に上がらずグイッとひねってから上がる。











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# by type_director | 2017-11-27 07:01 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)
香港国際空港のサイン

出張で行っていた中国から東京に昨夜もどりました。

経由した香港国際空港のサインが新しくなっていました。

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中国語が角ゴシック体、英語の情報が Univers です。やや透明感のある青の色は明るめで、文字情報も字間がゆったりです。この空港の前のサインを知っているので、それと比べてわかりやすいなと感じました。


下2枚は、2011年に撮った写真です。中国語は明朝体、英語は Avenir でした。今のと比較してみると、字が細すぎて字間や行間がギチギチに詰まっていて読みにくいし、色も前のは濁った感じでした。

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# by type_director | 2017-11-16 21:14 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)
文字と社会との関わりを考える言葉ふたつ

日本からの更新です。

鳥肌が立つ瞬間、というのがあるんだな。きょう、まさにそういう経験をしました。

Monotype 社の二日間連続のイベント「Type&(タイプアンド)」一日目の本日行われた児山啓一氏のトークでは、日本を初め世界の空港や鉄道の駅のサイン表示などのスライドを丁寧な解説付きでご紹介いただきました。

最後に、ロンドン地下鉄書体の例で締めくくるとき、児山氏が用意した最後のスライドが、 Frank Pick の言葉でした。ロンドン地下鉄書体を工芸家の Edward Johnston に発注するなど、今のロンドンの街の声をつくる動きを起こした彼の言葉がこれです。児山氏のスライドにあった文章をそのまま載せます。


‘The quality of our surroundings contributes decisively to our quality of life.’

「周囲の環境の質は自分たちの生活の質に大きく関わってくる」

–– Frank Pick


さて、私は先週11月3日に京都で J-LAF (ジャパン・レターアーツ・フォーラム)主催のシンポジウムに登壇して、著名なカリグラファーであり『The Golden Thread』の著者 Ewan Clayton 氏と「カリグラフィーとタイプデザインと看板の文字に境界線はあるか?」というテーマで対談していました。

そこで私が話したときのスライドで引用したのは、やはりイギリスの工芸家であり公共サインの文字について提案もした Percy Delf Smith の1945年の著書『Civic and Memorial Lettering』にある、この言葉です。


‘Lettering should be an interest of the community as a whole, since all must use it and all therefore gain benefit from its well-doing.’

「レタリングは社会全体の中でもっと関心の対象となるべきだ。みんながそれを使うのだし、良いレタリングからはみんなが恩恵を受けるからだ」

–– Percy Delf Smith

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児山氏が締めくくりに選ばれた言葉と、ほぼ同じことを言っている! 私もこの言葉で自分のトークを締めくくっていたので、あまりの偶然に驚き感激で全身に鳥肌が立ったわけです。

ちなみに、11月3日のシンポジウムでは、トークの30分前に私が会場入りして、私の持ってきたスライドの内容について話をして Percy Delf Smith の本についてちょっと話すと言ったら、開始直前なのに Ewan がご自分の用意していたスライドを一部変更して私の話につながる流れをつくってくれました。博識なのにちっとも偉そうにしていない。


さて、京都でのシンポジウムのテーマ「カリグラフィーとタイプデザインと看板の文字に境界線はあるか?」に対する答えは、 Ewan Clayton 氏も私も「無い!」で一致していて、カリグラフィーのシンポジウムにもかかわらず街の看板や公共サインを見せながら話をしました。

この一週間で、京都で Ewan Clayton 氏と、東京で児山氏と、こんなすごい方々と一緒のステージに上がらせてもらい、図らずも両方のトークが同じ部分に着地したわけです。


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ちょっとおまけですが、その Percy Delf Smith のこのページ右下のような少しセリフのついた文字は、もともとはロンドン交通局本部用につくられてロンドン地下鉄のごく一部でも使われたようで、今でも Arnos Grove 駅と Sudbury Town 駅に残っているそうです。








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# by type_director | 2017-11-10 23:45 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)