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情報を詰め込んだ結果は
観光客目線の記事を続けます。こんどは東京で見かけた印刷物です。

今年3月に書いたこの記事で、いろんな言語の観光ガイドが増えてきたことを書きました。数年前には聞いたことのなかった「インバウンド需要」という言葉もあちこちで使われています。
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言語によって観光ガイドが色分けされていて、たとえばドイツ語は黄色、フランス語は藤色、タイ語は赤紫色。
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中身はこんなふうです。左ページには地域ごとに分けた地図、右ページにはその地域の名所の案内という構成。
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でも、この見出しからすでに読みにくい。普通の書体の幅を思いっきり狭くしています。
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地図の下には、その地域を効率よく歩けるモデルコースの説明があります。
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これは読みにくい。まず書体の幅をここでも狭くしていて縦線が細くなっているし、一行ごとに字の詰め具合が変わっていてギチギチの行とスカスカの行とがある。

どれくらいの観光客がこれを手にとっているのか知らないけれど、これって役に立っているんだろうか。私だったらこれはすぐに棚に戻してネット等で調べる。東京にはゴミ箱があまりないから、持って来ちゃったらやっかいだ。

公共サインでもそうだったけど、狭い中に押し込めたような例が多すぎると思うんですが。外を歩いても印刷物を見ても縦線の極端に細いサンセリフ体が圧倒的って、なんか息苦しいです。文字のサイズを少し小さくしてもいいから、ゆったりと普通に読めた方が気持ちよく伝わるんじゃないかな?

タイ語版の中身はどうなっているのか見てみたら、モデルコースの説明文は英語だった。タイの人はみんな英語が読めて当たり前という前提なのかな? 
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by type_director | 2016-09-01 10:29 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(4)
Commented by at 2016-09-02 14:43 x
社内教育で若手にDTPや組版について教えることがあります。駅に置いてあるパンフレットの類は初級者でも気が付くような突っ込みどころが満載で、いつも教材として重宝しています。
 
日本語フォントや日本語特有の記号を使ったり、DTPアプリケーションを日本語の設定のまま使ったり、翻訳で嵩が増すことを想定せずにソース言語を隙間ないレイアウトにしたり、嵩が増えた外国語を同じスペースに収めようとして長体で無理矢理詰め込んだり、誰も見たことがないような略語を発明したり、ハイフネーションを頑にかけなかったり、全言語の引用符が英語のもので統一されていたり……
 
街路の案内板も地下鉄に置いてあるパンフレットもそうですが、発注側も受注側も翻訳を流し込んで枠に収めればおしまいとしか考えてなくて、読む人にとって読みやすいかどうか、見る人にとって見やすいかどうか、関心もなければ知識もないのだと思います。だから日本語の感覚のまま組むような乱暴なことができてしまうのだと思います。「お・も・て・な・し」って自己満足のことなのだろうかと思ってしまいます。
Commented by 名無し at 2016-09-03 13:40 x
普段より楽しく拝見させていただいております。
私はデザインの専門家ではないのですが,やはり普段生活しているとそもそもコンデンスを使うという発想があまりないように感じます(もちろんしっかりしているところもありますが)。また恐らく決められた数種類のフォントの中で全て処理しよう,デザインを日本語と同じにしようという考えでそのまま和文附属を使って幅を詰めたりしているのもかなり見かけます。結局,「外国語があればなんとかなる,読みやすさなんて二の次」という考えが根底にある気がしますね…
Commented by type_director at 2016-09-05 03:31
源さん、コメントありがとうございます。
たしかにご指摘されているような例が多くて、うまくできているほうが少ない気がします。

誰だったか、デザイナーから聞いた話だったと思いますが、「旅行先でタダでもらえる町の案内を見れば、その町の文化の程度がわかる」ということを聞いたとき、なるほどなと思いました。
Commented by type_director at 2016-09-05 03:34
名無しさん、コメントありがとうございます。
専門家ではない方からのご意見、とても大事だと思います。案内板を見るのは、専門家でない人がほとんどだからです。
和文付属の欧文、たしかによく見かけます。それについても今度書くつもりです!