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Stempel Garamond (2)
Stempel Garamond は、1920年代にドイツの活字会社 Stempel が出して、活字の時代からけっこう評判が良くて、いまでもドイツでほとんど毎日見かける。

これは、私が持っている、活字時代の Stempel Garamond 見本帳。

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11月前半に出張で行っていた日本では、いろんなところでフォントの話をしてきました。参加者の話を聞くと、まだまだ「Garamond はフランスの国家的書体だから他の国で使うととんでもないことになる」みたいな都市伝説に振り回されている人がいるようで、そのたんびに、全然違うよって説明してきます。このブログでも時々言っとかないとダメかな。

国によって使うべき書体がキッパリ分かれるなんて思っている人は、実際にヨーロッパに来て、ヨーロッパの国々が陸続きだって実感することをオススメします。ドイツの真ん中から車で何時間か走れば、フランスとかベルギーとかオランダとか、接しているほとんどの国に入ってしまいます。

家族でよく行くフランスなんかは、国境を越えてもしばらく町並みとか木組みの家の造りとかがドイツのそれと大して変わらないし、たいていの店でドイツ語が普通に通じます。だいたい、国境だって20世紀半ばまでと今と違うし。

そういう「陸続き」感がわかっている人ならば、また、ドイツの活字会社 Stempel が質の良い Garamond を出していた、別のドイツの活字会社 Bauer が見事な Bodoni を出していた、ってことも知っている人ならば、「どこそこの国家的書体」なんていう作り話は信じられないはずです。
by type_director | 2011-12-01 18:05 | 書体が特定の国の雰囲気? | Comments(5)
Commented by 竹林 at 2011-12-02 06:44 x
Garamond、きれいですね。セリフ系の書体では、いちばん好きです。
Commented by type_director at 2011-12-03 06:03
竹林さん、そう、これいいんですよね。ただ機能的に読みやすい、というのでなく、肌に馴染む感じがするのがいいんですよ。
Commented at 2011-12-05 01:55 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Shoko A at 2011-12-06 06:39 x
Stempel Garamond、適度な重みがあって、でもカリッとしてて(分かります!?)、いいですよねー。これで上手に組まれてる本を見ると、「うっとり」って気持ち本当に分かります。 

確かにヨーロッパが陸続きっていうのは、住んでみると実感すること多いですよね。車でドイツ南部からスイスやオーストリアに向かっても、たいして景色は変わらないし、違いよりも(バイエルン州と)共通点の方が多いんじゃないかって思うこともあります。大体車で国境を越えれること自体、島国暮らし(日本とイギリス)が長かった私にとって未だに不思議な感覚です。
Commented by type_director at 2011-12-06 12:55
Shoko A さん、もうベルリンの生活に慣れた? コメント有り難うございます。そう、「カリッと」わかるわかる! うまい言い方だね!