エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
フランスから新しいローマン体
こないだ、フランスから私に届いた封筒。Sarah Lazarevic(サラ・ラザレビチ)さんからで、中には彼女の刷った銅版画が入っていました。
e0175918_032366.jpg


切手も、サラさんのデザインです。彼女はグラフィックデザイナーでもあり、書体デザイナーでもあります。そして先月の末に、約4年間を費やした彼女のフォント Rameau(ラモー)が世に出ました!

Rameau プロジェクトは、この楽譜を持った彼女の知人がライノタイプ社を2007年に訪れたところから始まりました。その楽譜のためにわざわざつくったオリジナルフォントで、18世紀に銅版印刷で刷られた楽譜の字にインスピレーションを得たんだそうです。曲はフランスのバロック期の作曲家ジャン・フィリップ・ラモーのもので、書体の名前も彼からもらいました。楽譜の四隅のスカッと切れた斜線もいい。
e0175918_0112137.jpg
e0175918_0141754.jpg


私はこの書体にもうその場で一目惚れ。マーケティング部長も賛成して制作が始まったんですが、彼女が本業のグラフィックデザインのほうが忙しく、またフォントも合字がたくさんあって、とうとう4年かかってしまいました。

フォントのサンプルは こちら でたくさん見られます。銅版画っぽい繊細さを持つフォント。ローマン体はピンと張り詰めた緊張感がある。イタリック体は流れるような優雅さがあるけど、甘ったるくない。小文字エルの真ん中にある「とげ」が一種のスパイスになってピリッと効いてます。

サラさんは、普段はパリにいることが多いので、私の本『欧文書体2』のパリの街角の写真で協力してくれました。
[PR]
by type_director | 2011-03-07 00:29 | お知らせ | Comments(6)
Commented by mayuko at 2011-03-10 14:54 x
私もRameauに一目ぼれしました。
とっても洗練されていて、この書体からクラシック音楽が流れてきそうです。

サラさんのように、ヨーロッパにはグラフィックとフォントデザインを兼ねている方はたくさんいらっしゃるんですか?

私もその道に進みたく、色々模索しています。
大学などはやはりタイポグラフィー専門で学ぶのがいいでしょうか?
Commented by type_director at 2011-03-10 15:46
mayuko さん、たいていはグラフィックが本業でしょう。フォントのデザインだけで食べている人はほとんどいないと思います。でも、フォントのことを専門に習うことはおすすめです。タイポグラフィーやフォントのデザインには、グラフィックの基礎的要素が入っているからです。
Commented by Pete at 2011-03-16 12:11 x
はじめまして。基礎的な質問ですが、このブログのタイトルのローマン体とはセリフ体と同じ意味でしょうか?
Commented by type_director at 2011-03-20 18:43
Pete さん、この記事ではその通りです! ただし細かいことを言うと、「Roman」は前後の文脈によって意味が変わることがあります。たとえば「Univers 55 Roman」「Helvetica Roman」はいずれもサンセリフ体ですが、この場合の「Roman」は、「ボールドとかライトの太さでなくファミリーの基準の太さで、傾いていない」という意味になります。
Commented by Pete at 2011-03-29 10:33 x
再び質問ですが、画像のような楽譜はどのように作成するのでしょうか?専用ソフトがあるのですか?またこのRameau書体には、ト音記号や音符、「楽譜の四隅のスカッと切れた斜線」も含まれるのでしょうか?無知ですみません。教えていただけると大変助かります。
Commented by type_director at 2011-03-30 05:48
Pete さん、ここで紹介した Rameau フォントファミリーは、ト音記号など楽譜を構成するためのパーツ以外の部分、つまり文字とか文章組のために必要な記号類だけで構成されているので、同じ楽譜を組むことはできません。
ちなみに、一般的な楽譜をつくるためのフォントというのは別にあります。「Sonata」がそうですが、この写真のような味のある楽譜でなく、ごく一般的なものになります。「Sonata」のフォント解説を見ると、楽譜を組む専用のソフトウェアがあるようです。