私は英語もドイツ語もうまくなくて毎日苦労してるので、あまり偉そうなことは書けませんが、ちょっとだけ発音についての話を。ボロが出ないよう短くまとめます。
セミナーで、Futura の読み方は「フツーラ」が正しいのか「フーツラ」か、と尋ねられたことがあります。
Futura の読み方は、日本では昔から「フーツラ」と「フ」にアクセントをおきますが、英語圏、ドイツ語圏では「フツーラ」のように「ツ」にアクセントをおいて後半を伸ばして読みます。
でも、日本人が日本人に対して話したり書いたりするときにそんな些細なことにこだわってもしょうがないし、カタカナでの表記にも限界があります。彫像などの台座 plinth も王子様の prince もカタカナにすれば「プリンス」としか書けない。
日本人どうしで書体の話をするときに混乱しなければどちらでも良いと思いますよ、と答えました。
では、「フツーラ」式の表記をしたとして、別の書体 Bodoni はどうなるでしょう。英語圏やドイツ語圏では「ド」にアクセントをおいて発音します。だから「ボドーニ」と書くことになっちゃう。
日本では「ボドニ」で通っているなら、日本人と話すときには「ボドニ」と言って、英語で話すときには「ボドーニ」と発音していれば問題ないわけで。逆をやっちゃうと外国の人には通じないし、日本人からはカッコつけすぎと思われるという最悪の結果が予想されます。
つまり、書くときはこれまでの慣例的な表記と適当に折り合いをつけておいて、しゃべる時には日本人には日本語式の発音で、英語での会話の時は英語式の発音で、というふうに使い分ければ良いんじゃないでしょうか。
私の名前 Akira を欧米の人が発音すると「アキーラ」になっちゃう。そう呼ばれても「発音が違う!」とか言いませんよ。
でも、日本人から「アキーラ!」と呼ばれると、引くと思います。