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香港国際空港のサイン

出張で行っていた中国から東京に昨夜もどりました。

経由した香港国際空港のサインが新しくなっていました。

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中国語が角ゴシック体、英語の情報が Univers です。やや透明感のある青の色は明るめで、文字情報も字間がゆったりです。この空港の前のサインを知っているので、それと比べてわかりやすいなと感じました。


下2枚は、2011年に撮った写真です。中国語は明朝体、英語は Avenir でした。今のと比較してみると、字が細すぎて字間や行間がギチギチに詰まっていて読みにくいし、色も前のは濁った感じでした。

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# by type_director | 2017-11-16 21:14 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)
文字と社会との関わりを考える言葉ふたつ

日本からの更新です。

鳥肌が立つ瞬間、というのがあるんだな。きょう、まさにそういう経験をしました。

Monotype 社の二日間連続のイベント「Type&(タイプアンド)」一日目の本日行われた児山啓一氏のトークでは、日本を初め世界の空港や鉄道の駅のサイン表示などのスライドを丁寧な解説付きでご紹介いただきました。

最後に、ロンドン地下鉄書体の例で締めくくるとき、児山氏が用意した最後のスライドが、 Frank Pick の言葉でした。ロンドン地下鉄書体を工芸家の Edward Johnston に発注するなど、今のロンドンの街の声をつくる動きを起こした彼の言葉がこれです。児山氏のスライドにあった文章をそのまま載せます。


‘The quality of our surroundings contributes decisively to our quality of life.’

「周囲の環境の質は自分たちの生活の質に大きく関わってくる」

–– Frank Pick


さて、私は先週11月3日に京都で J-LAF (ジャパン・レターアーツ・フォーラム)主催のシンポジウムに登壇して、著名なカリグラファーであり『The Golden Thread』の著者 Ewan Clayton 氏と「カリグラフィーとタイプデザインと看板の文字に境界線はあるか?」というテーマで対談していました。

そこで私が話したときのスライドで引用したのは、やはりイギリスの工芸家であり公共サインの文字について提案もした Percy Delf Smith の1945年の著書『Civic and Memorial Lettering』にある、この言葉です。


‘Lettering should be an interest of the community as a whole, since all must use it and all therefore gain benefit from its well-doing.’

「レタリングは社会全体の中でもっと関心の対象となるべきだ。みんながそれを使うのだし、良いレタリングからはみんなが恩恵を受けるからだ」

–– Percy Delf Smith

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児山氏が締めくくりに選ばれた言葉と、ほぼ同じことを言っている! 私もこの言葉で自分のトークを締めくくっていたので、あまりの偶然に驚き感激で全身に鳥肌が立ったわけです。

ちなみに、11月3日のシンポジウムでは、トークの30分前に私が会場入りして、私の持ってきたスライドの内容について話をして Percy Delf Smith の本についてちょっと話すと言ったら、開始直前なのに Ewan がご自分の用意していたスライドを一部変更して私の話につながる流れをつくってくれました。博識なのにちっとも偉そうにしていない。


さて、京都でのシンポジウムのテーマ「カリグラフィーとタイプデザインと看板の文字に境界線はあるか?」に対する答えは、 Ewan Clayton 氏も私も「無い!」で一致していて、カリグラフィーのシンポジウムにもかかわらず街の看板や公共サインを見せながら話をしました。

この一週間で、京都で Ewan Clayton 氏と、東京で児山氏と、こんなすごい方々と一緒のステージに上がらせてもらい、図らずも両方のトークが同じ部分に着地したわけです。


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ちょっとおまけですが、その Percy Delf Smith のこのページ右下のような少しセリフのついた文字は、もともとはロンドン交通局本部用につくられてロンドン地下鉄のごく一部でも使われたようで、今でも Arnos Grove 駅と Sudbury Town 駅に残っているそうです。








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# by type_director | 2017-11-10 23:45 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)
Weinbach の文字
小さな城のある Weinbach という町で。
「Zur Burg」(城はこちら)と書いてある手作り感満載の案内標識。
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あんまり観光地化されていないお城の中はこんなふうで、紋章がきれいです。
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城の前の街角で。
ブラックレターが良い味出してます。「Dorf Freienfels / Amt Weilburg」と書いてあります。
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# by type_director | 2017-11-01 14:23 | Comments(0)
TypeTalks 第41回は『Typography12』刊行記念 「藤田重信さんに聞く筑紫書体のこれまでとこれから」

次回は、待ちに待った豪華ゲスト、藤田重信さんによるトークです。

実際にフォントを制作しているところを会場で再現、現在制作中の書体も公開だって! 質問も受けるし、つくってほしい書体のリクエストも受けるらしい。

20171123 (木・祝)14:00から。

場所は東京・青山ブックセンター本店内です。

詳細とお申し込みは こちら






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# by type_director | 2017-11-01 03:42 | お知らせ | Comments(0)
地名が5つある場所
フランクフルトの真ん中に、地名の表示板が5つ立っている場所があります。
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地名の変遷を示しているわけで、ナチスによるユダヤ人迫害などによって改名された歴史をそのままさらけ出すという、じつにまっとうな考え方が反映されています。

一番西側にある名前 Judenmarkt は、直訳すれば「ユダヤ市場」という意味で、フランクフルトに15世紀半ばから18世紀末まであったユダヤ人ゲットー(隔離居住区)の名残です。
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同じ場所が、1886年に Börneplatz と名付けられます。このゲットーで1786年に生まれてのちにジャーナリスト・批評家となったユダヤ人、ルートヴィヒ・ベルネ(Ludwig Börne)の名を取って彼の生誕百年の年につけられました。

1930年代に入ってナチスが台頭したドイツでは、ユダヤ人の名前に由来している Börneplatz という地名をやめて、近くにキリスト教の聖ドミニコ修道院があることから聖ドミニコの名を取って1935年に Dominikanerplatz と改名されます。その後、1938年11月9日のいわゆる「水晶の夜」にはこの場所にあったシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が破壊されています。迫害などにより、フランクフルト出身のユダヤ人11000人以上が大戦中に命を落としました。
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戦後もずっとその地名が使われ続けていましたが、1978年にフランクフルトの歴史家によって再び Börneplatz と改名され、1990年からは現在の道路名 Neuer Börneplatz (新 Börneplatz)となっています。

現在ここにある立方体状のモニュメントは、昔のユダヤ人ゲットーの礎石を集めてつくられたものです。
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こんなふうに、なにも知らずに通りかかるだけでも「なんで地名が5つ?」と立ち止まる。由来を調べてみたくなる。そして、ドイツが過去に犯した大きな誤ちのことがわかる。

歴史を風化させず、間違った部分も含めてさらけ出すという姿勢です。背筋が伸びる思いです。




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# by type_director | 2017-10-21 07:06 | 公共サイン・標識・観光案内 | Comments(0)