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バルセロナの街の文字
バルセロナでは、会議の前後に時間をつくって街歩きをしてきました。

ホテルのある中心部の道路 Avenida Diagonal の真ん中を走る市電。

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ヤシの木が南国っぽいんですが、思ったより気温が上がらず風も吹いていたので、夕方は厚手のコートを着ても1時間歩くと体が冷え切ってしまうくらいでした。ところどころにある道標は Helvetica。

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リサイクル用のコンテナの文字がかわいい。書体名はわかりません。
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大通りよりも脇の小道を歩きたい。

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学校が近いから児童に注意、ということなんでしょう。単純な図形を組み合わせたステンシルの効果がいいです。
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薬局と化粧品店を兼ねているお店なのか、なかなか重みのある看板。これに近い書体は Cloister Black というまた重みのある書体名。
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そして Jackson。私の知る限り、1970年代のドライトランスファーレタリングの時代からある。「自分でもこんな書体をつくりたい」という憧れの書体のひとつ。
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これは産業廃棄物を扱う業者のようですが、大型トラックとかにも使われているのを見かける。

やっぱり自分の作った書体に出会うと嬉しい。 DIN Next Rounded

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# by type_director | 2024-03-09 14:59 | 公共サイン・標識など | Comments(0)
バルセロナ空港とチューリヒ空港の書体の比較

今週、出張でスペインのバルセロナに行ってきました。

バルセロナ空港です。

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サインの書体は News Gothic No. 2 の Roman と Bold です。

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そして3月7日に帰るのですが、フランクフルト行きのルフトハンザ便はストライキで欠航になってしまいました。スイス航空便でスイスのチューリヒまで移動、そこで7時間待ってようやくフランクフルトに戻りました。

バルセロナからフランクフルトまで直行便なら2時間のところを11時間かかって帰ってきたわけですが、逆に急がなくていいという余裕があるので、じっくり空港の中を観察することができます。

チューリヒは、2008年にコンファレンスで講演のために行ったことがあります。これはそのとき撮っていた写真。

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書体もその時から変わっていなければいいな、と内心思っていたわけですが、期待通り、いまも Akzidenz-Grotesk Medium でした。この「1」、そして「2」が見たくてこの12番に来ちゃうんですよ。

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空港はすっかり新しくきれいになっているんですが、書体はおんなじ。この安定感、やっぱりいいんですよね。

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ゲートの表示の「ABC...」の分け方も、バルセロナとチューリヒでは違っています。

バルセロナは色で分ける。

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チューリヒでは色を使わずに罫線で分けています。

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# by type_director | 2024-03-09 13:13 | 公共サイン・標識など | Comments(0)
日本では消火栓を探すのが楽しい

長期の日本出張からドイツに戻りました。日本では観光っぽいことも少ししたけど、写真を見返すと消火栓の写真がけっこう多い。

駅ビルでも商業施設でも、大きめの建物に入ると、どんなお店にどんなものがあるのかということよりも真っ先に消火栓を探してしまう。

いま風のファッションを並べている店の隣にも渋めの文字の「消火栓」。

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よく見ると、上の写真の「消火栓」の文字は、点などの部品がバラバラにならないような工夫がしてある。

消火栓の文字が難しいのは、点をバラバラにつくってしまうと、とれてなくなってしまうことがあること。

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そして一度取れてしまった部品は、だいたい元通りに戻してもらえないこと。

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元々はこうだったんだと思う。

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前にこの記事 でも書いたけど、一部の「消火栓」のデザインでは、さんずいの三番目の点の形が一般的な明朝体とは違うのも面白い。だから消火栓を探すのをやめられない。実際これをつくった人がどう思ったかはわからないけど、私にはこれが下の図のように点+ハネに見える。

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# by type_director | 2024-03-03 14:54 | 公共サイン・標識など | Comments(0)
ツァップさんご夫妻のウェブサイト
ヘルマンさんとグドルン・ツァップさんご夫妻のお孫さんのひとりからメールがあり、ご夫婦のお仕事や作品を閲覧できるサイトを準備中で、私も微力ながら協力することになりました。
いまのところは トップページ だけがみられますが、4月頃から徐々に内容を充実させる計画のようです。
今後をお楽しみに。

# by type_director | 2024-02-29 15:14 | お知らせ | Comments(0)
金属活字関係をいろいろ見学してきました

前回の記事は写植でしたが、今回は活字です。

1989年から90年にかけて私がロンドンで勉強していたころ、参考にしていた本は活版印刷のものが多かったと思います。

なので金属活字には愛着があって、イギリスでも鋳造の現場を見てきたことがあります。昔の写真を引っ張り出してきて、この記事 この記事 で書きました。

ドイツでも鋳込んでいるところがあって、この記事 でも書いてます。昨年6月にも行きました。

そして、ここ数日間で日本の金属活字関係も見てきました。「市谷の杜 本と活字館」では、「活字の種を作った人々」という企画展が開かれていて、金属活字の元になる種字(たねじ)や鋳込むときに使う母型(ぼけい)の実物が見られます。

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そしてきょうは、10月に 本づくりハウスのイベント で見本帳だけ買っておいた 築地活字 にも行ってきました。京急の南太田駅から歩いて数分です。

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中では活字を鋳込んでいるところを見せていただきました。社長の平工(ひらく)さんにうかがったところ、欧文活字で注文の多い書体が Piranesi で、その用途は印刷ではなく、レザークラフトで刻印するためだそうです。なるほど、この書体ならちょっと特別な感じが出るし、少し右に傾いたスクリプト体だけど活字ボディは垂直だから扱いやすそう。

母型を作ってもらうこともできるそうで、ということは、21世紀のいまでも金属活字を母型から作って鋳込むことが可能なわけです。ちょっと自分のオリジナル活字制作、考えてみようという気になりました。



# by type_director | 2024-02-13 18:28 | 金属活字 | Comments(2)